思い出のプロレス観戦・名場面 ④

話の流れとしては前回から続く。
90年4月13日、東京ドームで行われた《日米レスリングサミット》で行われたIWGPタッグ選手権。
橋本真也&マサ斉藤組が、長州力&蝶野正洋組を退け、王座を防衛した。
そして2週間後、再び蝶野は王座に挑戦する。
新たなパートナーと共に…。

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1990年4月27日
東京ベイNKホールで行われた新日本プロレスの《新闘強STATION BAY N.K》。
当時、“トレンディ・スポット”として注目が集まる会場だった。
その東京ベイN.Kホールにプロレスが初めて進出した大会だった。

この年2月10日の東京ドーム大会では、新日本プロレスは大成功を収めた。
全日本プロレスから選手派遣は特に意表を突かれ、また注目が集まった。

ビックマッチとして続く今大会は新日本としても力が入っただろう。
がファンからも期待が大きく寄せられた。

メインイベントは、新たな時代を予感させたカードだった。
IWGPタッグ選手権「橋本真也&マサ斉藤VS蝶野正洋&武藤敬司」である。

2月の東京ドーム大会では、凱旋帰国できなかった“天才”武藤敬司。
リック・フレアーとのNWA世界ヘビー級選手権が流れたのは残念だった。、
しかし、その武藤敬司が満を持して帰ってきたのである。

「蝶野を上手く使いこなせるのは俺だ」
確か、こんなことを武藤選手は専門誌のインタビューで答えていたと記憶している。
2週間前の試合を受けての発言だった。

《闘魂三銃士》の2人が組むのだから、今度は王座が移動するかも…。
今ではプロレス界の中心にいる2人だが、当時はまだ若い世代の選手である。
橋本を含め三銃士が揃い踏みすることにも、新しい時代を期待させた。
プロレスファンの友人たちとチケットを買い求めた。

当日会場で観戦した私の感想だが、客席の関心はメインのみに注がれていたと言ってもいい空気だった。
申し訳ないが、メインまでの数試合は、すべて前座試合のような感じだった。

この頃、選手の入場曲にも新鮮さから人気が集まった。
橋本選手の『爆勝宣言』、蝶野選手の『FANTASTIC CITY』などである。

武藤選手も新しいテーマ曲なのか?
“スペースローンウルフ”時代の『ファイナルカウントダウン』も良かったが…。
そうしたことにも、ワクワクした。

武藤&蝶野の挑戦者チームの入場の際、聴いたことのない曲が流れる。
後から知ったタイトルだが、武藤選手の新しいテーマ曲『HOLD OUT』だった。
そのカッコよさに、割れんばかりの大歓声がこだまする。
武藤選手の入場シーンは、その時代時代でキャラクターが変わっても、現在に至るまで常に絵になる。
このときの入場は、“新しい風”がビュンビュン吹いていた。

試合は、いい意味で観客との一体感があったと思う。
最後は武藤選手が斉藤選手をフォールし、王座が移動がする。
外見的にもカッコいい2人がチャンピオンになった。
このことでタッグ部門はさらに盛り上がるだろうと感じられた。
一方、橋本選手はこれを機にシングルへのシフトチェンジが期待された。

《闘魂三銃士》が、メインを締める。
新日本プロレスの新たな時代の扉が開こうとした一戦だったと思う。
しかし、すぐに“闘魂三銃士時代”が訪れたわけではない。
ここからしばらく、長州力が三銃士の前に立ちはだかった。
すっきりと新時代到来を思わせたのは、翌年の第1回G1クライマックス。
決勝戦で蝶野選手が武藤選手をパワーボムで破り、優勝したときだった。
とはいえ、この日のメインが新時代の扉に手を掛けたことは確かだっただろうと思う。

長期政権を期待された2人だったが、約半年ほどで王座を明け渡す。
武藤&蝶野から王座を奪ったのは、馳浩&佐々木健介だった。
馳選手は、現在は衆議院議員。
佐々木選手は、最近では夫人の北斗晶とバラエティ番組にも出演するなどして知られている。

佐々木選手は武藤選手と同じく、この日が凱旋帰国後、初の試合だった。
武藤選手に視線が集まる中、佐々木選手への期待は必ずしも大きなものではなかった。
このときはまだ、扱いも、ファンの関心も、闘魂三銃士とは差があった。
今は三冠王者であり、プロレス界のトップの1人である佐々木選手だが、そんな時代もあったのである。
少し視点を変え、佐々木選手に注目しても、この日は後年に残るプロレスシーンだったように思う。

さて、時は流れて今日2008年4月27日。
武藤選手は、中邑真輔選手の持つIWGPヘビー級王座に挑戦した。
今の中邑選手は、18年前の武藤選手と同じような存在といってもいいだろうか?
そんな若い選手に武藤選手は挑戦した。
ライバル・棚橋弘至選手から王座を奪取し、カート・アングルとの防衛戦でベルトを統一した中邑選手。
先月再び棚橋選手を破り、しばらくは王座が不動になるかと思っていたが、武藤選手が新王者になった。
年を重ねても、武藤選手は進行形の選手である。
会場が大阪でなく東京であったら観に行きたかった…。

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